夜景遺産認定地
もじこうえき
門司港駅北九州市門司区にあるJR門司港駅は1914年開業、1988年に鉄道駅として初の国重要文化財に指定。2019年に大正期の姿に復原された木造二階建てネオ・ルネサンス様式駅舎は、夜間ライトアップで幻想的な雰囲気を演出。歴史的展示物も残り、門司港レトロ地区の観光拠点として文化的価値と夜景美を併せ持つ。
北九州市門司区西海岸に位置する九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の起点駅で、1914年(大正3年)に創建。1988年には鉄道駅として初めて国重要文化財に指定された。2012年から行われた長期保存修理工事を経て、2019年に大正時代の姿に復原。駅舎は木造二階建て、ネオ・ルネサンス様式が用いられ、左右対称の特徴的外観を持つ。駅舎内には九州の鉄道の起点を表す「ゼロマイル標」や門司港に帰り着いた引揚者や復員兵が安堵の思いで喉を潤した「帰り水」、戦時中の金属供出から逃れた「幸運の手水鉢」などの歴史的な展示物が残り、当時の文化を現代に伝えている。駅舎の横には関門連絡船就航当時に駅から桟橋までの約100mを結んでいた「関門連絡船通路跡」が残存。夜になると駅舎が暖色系の明かりで照らされ、大正ロマンの風情溢れる駅舎が駅前広場の噴水と共に浮かび上がる。そして、駅舎のライトアップに対して駅前を行き交う人々のシルエットが加わり、映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気を創出している。本認定では、ドラマチックでフォトジェニックな魅力のみならず、歴史や文化的価値を現代の光で照らすというライトアップの本質を追求した作品として評価。門司港レトロ地区の観光拠点としてはもちろん、近隣の門司港エリア建築群のライトアップ、門司港レトロ展望室、和布刈公園第二展望台などの日本夜景遺産も併せて楽しみたい。